イチゴの新品種‘古都華’の育成とその特性

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  • イチゴ ノ シン ヒンシュ コト カ ノ イクセイ ト ソノ トクセイ

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抄録

‘古都華’は、2002年に奈良県農業総合センター育成系統の‘7-3-1’に‘紅ほっぺ’を交配し得られた実生個体から選抜されたイチゴの新品種であり、2009年に品種登録出願し、同年に出願公表された。特性は以下の通りである。1.花芽分化期は、‘アスカルビー’より僅かに早い。促成栽培作型における開花期は‘アスカルビー’より早く、‘章姫’より遅い。2.促成栽培作型における収量は、‘アスカルビー’と比較して80〜95%、‘章姫’と比較して65〜80%と少なく、15g以上の正常果の収穫果重は‘アスカルビー’と比較して同等以上である。3.果実の糖度、酸度および硬度は収穫期間を通して高い。4.促成栽培作型における草高と草丈は、12月は‘アスカルビー’並びに‘章姫’と同程度であるが、厳寒期の2月には‘アスカルビー’と比較して明らかに大きい。5.花房は長く、伸長促進のためのジベレリン処理は必要としない。6.二酸化炭素施用を行うことで20%近い収量増が見込まれる。7.おがくずを培地とする雨除け下のベンチ無仮植育苗では、ランナーと子苗の発生がやや少ない。8.ランナー発生から判断される休眠覚醒に要する5℃以下低温遭遇時間は‘女峰’と同程度である。9.萎黄病、うどんこ病および炭疽病のいずれに対しても抵抗性を有しない。

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