植物アセチルコリン系の特性

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抄録

本研究において、最初にsiratro AChEを精製およびクローニングし、その分子特性を検討した。Siratro AChEの全cDNA配列は、1441bpであり、シグナルペプチドを含む382残基のタンパク質をコードしていた。本AChEは、41-42-kDaの単量体がジスルフィド結合した125-kDaのホモ3量体であった。対照的にmaize AChEは、ジスルフィド結合および非共有結合からなる88-kDaのホモ2量体であった。そのため、植物AChEは動物AChEに類似し、植物種に依存した多様な4次構造で構成されることが推測された。さらに、siratro AChEの酵素特性をmaize AChEおよびelectric eel AChEと比較検討した。Siratroおよびmaize AChEsは、動物AChEおよび動物BChE双方の酵素特性を示した。次に、形質転換イネにおけるmaize AChEの細胞内局在性を蛍光免疫染色法により観察した。Maize AChEタンパク質は、形質転換イネの葉および茎組織の細胞外領域に検出され、植物ACh系が細胞外領域で機能していることが示唆された。

収録刊行物

  • Gamma field symposia

    Gamma field symposia (48), 61-67, 2011-03

    Institute of Radiation Breeding, Ministry of Agriculture & Forestry

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