玉繭品種「玉小石」の特徴について

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  • タママユ ヒンシュ タマコイシ ノ トクチョウ ニ ツイテ

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抄録

玉繭品種「玉小石」の所内上蔟試験を実施し,その玉繭蚕歩合を調べた。「玉小石」は,母体別にBWT×BWK (以下,BWT母体)と,その逆交配のBWK×BWT (以下,BWK母体)を,対照には非玉繭蚕「朝・日×東・海」を供試した。上蔟には合成樹脂製の百年蔟を使用し,蔟一枚にそれぞれ熟蚕400頭を投入した。その結果,玉繭蚕歩合は,BWT母体で23.4~24.4%,BWK母体では27.0~36.8%となり,これは,「朝・日×東・海」の歩合の4.1~9.4倍と6.1~10.8倍に相当した。次に,「玉小石」の実用性を調べるために,母体別に大量飼育した同品種の熟蚕を蔟一枚当たり400上蔟した。その結果,同歩合はいずれの母体においても高く,BWT母体で26.2%,BWK母体では26.9%となった。また,蔟一枚当たり熟蚕550頭上蔟すると,その歩合は母体順にそれぞれ33.9%と35.1%になった。続いて,「玉小石」の玉糸と生糸を使って牛首紬を試作し,その風合いを調べたところ,その仕上がりに軽さと,これまでの牛首紬にはみられない上質な光沢が認められた。以上のことから,「玉小石」が高い玉繭生産能力と特徴ある糸質を持つ蚕品種であることが確かめられた。

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