モモ台木品種‘ひだ国府紅しだれ’の育成とその特性

書誌事項

タイトル別名
  • モモ ダイギ ヒンシュ ヒダコクフ ベニシダレ ノ イクセイ ト ソノ トクセイ

この論文をさがす

抄録

‘ひだ国府紅しだれ’は,岐阜県高山市国府町在来の観賞用ハナモモの中から選抜されたモモの台木用品種で,2008年3月に種苗法に基づき品種登録された。枝垂れ性で樹高が低く,花弁は紅色で八重咲きである。成熟期は育成地で満開後約150日の9月下旬~10月上旬で,果実は35gと小さく粘核で,双胚果の発生が多い。実生をモモの台木として使用した場合には,主要品種との接ぎ木親和性が高く,慣行の‘おはつもも’台樹や‘長野野生桃(晩生)’台樹などに比べて若木の凍害による枯死や主幹部障害の発生が抑制される。また,穂木品種の樹勢が弱くなり,樹冠の拡大は慣行台木樹に比べてやや遅れる。6年生樹までの収量は‘長野野生桃(晩生)’台樹よりやや低いが,果実品質には大きな差がない。このため,凍害による若木の枯死障害が問題となっている岐阜県飛騨地域のような寒冷地向きのモモ台木用品種と考えられた。

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 10 (1), 115-120, 2011-01

    東京 : 園芸学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ