「北海道における2009年多雨・寡照による農作物の被害解析」報告書(3) : コムギ; 平成21年7月の低温・長雨による北海道の秋まき小麦における穂発芽被害の解析

抄録

平成21年7月の低温および長雨によって小麦の穂発芽の被害が多発したことにより,北海道産小麦の収穫量は平年の73%となった。このため,平成21年の北海道内の各試験地における気象条件と小麦品種毎の収量および品質を解析した。北海道内の各奨励品種決定試験地で栽培された「ホクシン」は53%,「ゆめちから」は47%,「キタノカオリ」は90%が低アミロであった。3品種とも平均気温とアミロ値の間には有意な相関関係は認められなかった。穂発芽耐性が優れる新品種の「きたほなみ」は,「ホクシン」と比較して1等の被率が20%以上高く規格外の比率は約5%低かった。平成20年に育成した「ゆめちから」の穂発芽耐性は「ホクシン」よりもやや優れる程度で,秋まきパン用小麦品種の穂発芽耐性の強化を積極的に推進する必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ