木材への穿孔加工と難燃化処理への応用

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  • モクザイ エ ノ センコウ カコウ ト ナンネンカ ショリ エ ノ オウヨウ

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抄録

穿孔加工とは、材料の裏面から表面近傍まで直径1mm程度のドリルによって施す深穴加工である。本報では、木材の難燃化処理のための難燃剤水溶液の含浸処理に対して、注入量の向上と、注入処理時間の短縮および長尺な材料への均質な薬液の浸透による品質の安定化を目的として、木材への穿孔加工の効果を検討した。染料水溶液の含浸処理により注入量とその注入形態を調べたところ、穿孔試料では注入量が向上し、より均質な溶液の浸透が認められた。また、含浸性の悪い樹種ほど穿孔の効果は顕著であった。難燃処理剤水溶液の含浸処理では、穿孔加工により含浸処理時間が短縮できることが示された。難燃剤の注入固形分量は処理剤水溶液の濃度に比例して増加し、コーンカロリーメータによる難燃性能の評価では、リン酸系・ホク酸系難燃処理剤ともに処理剤の注入量に応じて建築基準法に定める「難燃」から「不燃」レベルの制御が可能であった。

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