沖縄県内で収集したローズグラスの系統解析

抄録

ローズグラス(Chloris gayana Kunth.)について,沖縄県内で収集したローズグラス(沖縄収集系統),鹿児島から移管された育種材料(鹿児島移管系統)および供試6品種のAFLP法による多型情報を得て,系統間の類似度にもとづく系統樹を作成した。1.沖縄収集系統,鹿児島移管系統および品種は系統樹によって明確に区分された。2.系統樹により‘Katambora(Kt)’,‘Asatsuyu(As)’,‘Hatsunatsu(Ht)’,‘Top cut(Tc)’,‘Fine cut(Fc)’,および‘Callide(Cd)’は大きく3群に分類された。3. 沖縄収集系統および鹿児島移管系統は大きく2群に分類された。4.四倍体の倍数性を示した国頭村安田,石垣市白保および石垣市川平は系統樹でも四倍体Cd選抜と同じ群に分類された。以上の結果から,沖縄収集系統は供試品種とは異なる遺伝的特性をもち,沖縄の気候風土による自然選抜によって,永続性や耐干性など沖縄に適応するための遺伝的形質を獲得しており,有効な育種母材である可能性が示唆された。

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