静岡県産スギ精英樹挿し木系統の動的ヤング率

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  • シズオカケンサン スギセイエイジュ サシキ ケイトウ ノ ドウテキ ヤングリツ

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説明

林木育種により高ヤング率品種を開発するため、静岡県産スギ精英樹挿し木系統の動的ヤング率を様々な林分で評価した。応力波伝播法による立木ヤング率(立木Es)は,富士1号と天竜5号の挿し木2系統が,採穂園や集植林及び次代検定林で7.9kN/mm2(JAS構造用製材機械等級:E90)以上の値を示した。特に,富士1号は,樹幹全体が未成熟材で形成される10年生未満の若齢期の立木や,次代検定林の伐採丸太でヤング率を評価した結果でも,他の挿し木系統と比べて大きな値を示したことから,高ヤング率の系統であることが確認された。挿し木系統の立木Esはいずれの調査林でも系統間に有意差が認められた。挿し木系統の立木Esや丸太Efrは,反復率(広義の遺伝率)が成長形質と比べて各試験林ともに高く,また,挿し木系統の立木Esは生育環境の異なる林分間で相関関係が認められ,ヤング率の遺伝性が高いことから,林木育種による材質改良による新たな品種作出の可能と考えられた。

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