各種植物病原菌に対する微酸性電解水の抗菌効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Anti-biotic Effect of Slightly Acidic Electrolyzed Water on Plant Bacterial / Fungal Pathogen
- カクシュ ショクブツ ビョウゲンキン ニ タイスル ビサンセイ デンカイスイ ノ コウキン コウカ
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抄録
希塩酸を無隔膜で電気分解して得られる微酸性電解水は,ヒトの病原細菌等に対して抗菌作用を示すことが知られており,食品添加物として認可されたために食品加工・製造分野などで殺菌・減菌目的で利用されてきている。3%塩酸を無隔膜で電気分解して得た有効塩素20ppm,pH6.3の微酸性電解水を用いて,各種植物病原細菌17種類および病原糸状菌4種類に対する抗菌活性を検討した。1. 微酸性電解水中に懸濁したキュウリべと病菌,トマト葉かび病菌,トマト灰色かび病菌の分生胞子それぞれの発芽・遊走子放出は著しく抑制された。また,微酸性電解水を段階希釈して処理した各分生胞子の発芽・遊走子放出の結果から,微酸性電解水の抗菌機作はヒトの病原菌における抗菌機作と同様に微酸性電解水中の次亜塩素酸によるものと考えられた。2. 微酸性電解水はトマト萎凋病菌,タマネギ灰色腐敗病菌,トマト灰色かび病菌それぞれの分生胞子を極めて短い時間で殺菌することが明らかとなった。3. 微酸性電解水は高濃度の各種植物病原細菌を極めて短時間で殺菌した。以上の結果と,微酸性電解水は残留性や浸透性に乏しい特性とを考え併せ,微酸性電解水は農薬の代用としての目的ではなく,むしろ栽培環境や植物個体表面等の殺菌・清浄目的で利用することが適当と考えられた。また,徴酸性電解水を農業生産現場で利用することは,持続的農業生産を目指す今後の植物病害抑制の手段の一つとして極めて有効な方法であると考えられた。
収録刊行物
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- 宮崎大学農学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Miyazaki University
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宮崎大学農学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Miyazaki University 58 1-10, 2012-02
宮崎大学農学部
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050845763668184704
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- NII論文ID
- 110009004688
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- NII書誌ID
- AN00236503
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- ISSN
- 05446066
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- HANDLE
- 10458/3743
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- NDL書誌ID
- 023560852
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL
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