冬季の抑制飼育期間におけるアコヤガイの生理状態の指標としての閉殻力の有効性

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タイトル別名
  • Possible utilization of the shell-closing strength as a physiological status of the pearl oyster during pre-operation conditioning in winter season
  • トウキ ノ ヨクセイ シイク キカン ニ オケル アコヤガイ ノ セイリ ジョウタイ ノ シヒョウ ト シテ ノ ヘイカクリョク ノ ユウコウセイ

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抄録

1. 冬季の抑制飼育期間におけるアコヤガイの閉殻力および生理状態を示す軟体部の諸形質の変動を調査するとともに,それらに及ぼす抑制篭への収容貝数の影響について検討した。2. 抑制期間中にけるアコヤガイの閉殻力,全湿重量,軟体部重量/全湿重量,閉殻筋重量,閉殻筋重量/貝殻重量は,いずれも飼育日数の経過とともに漸次低下する傾向を示した。3. 抑制篭へのアコヤガイの収容数の違いが閉殻力および他の軟体部諸形質の変動パターンに及ぼす影響について調査した結果,いずれも測定値と収容数との間に明確な対応はみられなかった。一方,試験貝の死亡率は収容数の多い区ほど高く,飼育密度の影響のあることが示唆された。4. 閉殻力と軟体部諸形質の11月から4月までの毎月の値には,有意な正の相関関係が認められた。このことから,閉殻力は冬季の抑制飼育後のアコヤガイの生理状態を反映し,抑制の程度や効果を把握する指標として有効に活用できる可能性が示された。

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