印旛沼の張網で漁獲された魚類および大型甲殻類
書誌事項
- タイトル別名
-
- Fishes and Crustacean Decapods caught by Hariami trapnet in Lake Inbanuma, Chiba Prefecture.
- インバヌマ ノ チョウモウ デ ギョカク サレタ ギョルイ オヨビ オオガタ コウカクルイ
この論文をさがす
抄録
1)印旛沼において1993~2008年に張網漁獲物調査を実施し,魚類および大型甲殻類の出現状況を把握するとともに,1983~2008年に確認された種の量的な推移を検討した。2)1993~2008年の印旛沼において,魚類37種(在来種24種,国内産移入種7種,外国産移入種6種),大型甲殻類4種(在来種3種,外国産移入種1種)を確認した。3)印旛沼に生息する種を1975~1985年と1993~2008年で比較すると,在来種は32種から27種に減少しタナゴ,カマツカ,メダカ,ビリンゴ,ヌカエビが見られなくなり,移入種は11種から14種に増加しオオタナゴ,スゴモロコ,チャネルキャットフィッシュが新たに確認された。4)1983~1987年に比べ1988~1992年は多様度指数と出現種数が減少し,1993~2001年,2002~2008年は,出現種数は増加したが多様度指数は減少し,多様性の低下が見られた。5)1983年~1987年と2002~2008年でCPUEを比較すると,全種合計は56%に減少したのに対し,在来種の魚類合計は37%に減少し,在来種の量的な減少が確認された。6)1983年以降の各期に共通して優占していたのはモツゴ,ブルーギル,テナガエビの3種で,2002年以降はスジエビを加えた4種で漁獲物の90%以上を占めていた。7) ブルーギルは1988~1992年にCPUEが2270個体/袋で漁獲物の83%を占めるまで増殖したが,2002~2008年にはCPUEが76個体/袋で最盛期の3%まで減少した。8) モツゴのCPUEは1983~1987年は436個体/袋であったが,1988~2001年は180~190個体/袋,2002~2008年は216個体/袋に減少し,ブルーギルによる食害と産卵基質の減少が影響したものと考えられた。9)スジエビは2000年以降に急増し,一時CPUEで1000個体/袋以上,漁獲物の50%以上を占め,テナガエビは2002年以降に大きく減少し,ブルーギルとスジエビの増加の影響が考えられた。
収録刊行物
-
- 千葉県水産総合研究センター研究報告
-
千葉県水産総合研究センター研究報告 (7), 23-32, 2013-02
南房総 : 千葉県水産総合研究センター
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050845763672864256
-
- NII論文ID
- 40019715302
-
- NII書誌ID
- AA1215225X
-
- ISSN
- 18810594
-
- NDL書誌ID
- 024713359
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles