台木品種及び施肥量の違いがハウス半促成栽培トマトの養分吸収に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of different rootstock cultivars and fertilizer applications on nutrient uptake in semi-forcing cultured tomato
  • ダイギ ヒンシュ オヨビ セヒリョウ ノ チガイ ガ ハウス ハンソクセイ サイバイ トマト ノ ヨウブン キュウシュウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

台木の利用による減肥栽培技術の確立に向け,施肥量の異なる条件下で台木用F1品種の違いがトマトの収量及び養分吸収量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,窒素及びリン酸施肥量の異なる3つの試験区に草勢が強いとされる台木品種(「マグネット」,「影武者」)及び草勢が弱いとされる台木品種(「ジョイント」,「ドクターK」)に接いだトマト(穂木品種:「ハウス桃太郎」)を定植し,ハウス半促成栽培を行った。トマトの収量,窒素及びリン酸の吸収量を調査したところ,以下の結果が得られた。1. 減窒素施肥(「ちばエコ農産物」栽培基準)条件下において,草勢の強い台木品種「マグネット」及び「影武者」は供試した草勢の弱い台木品種と比べて施肥窒素利用効率が高かった。したがって,減窒素栽培においては,台木品種の持つ土壌病害虫抵抗性を考慮した上で,草勢の強い台木を利用することが適切だと判断された。2. 栽培圃場の施肥前における可給態リン酸含量が8.0~13.3mg/100g,リン酸施肥量が10a当たり17.2~24.2kgの条件下において,台木「マグネット」は供試した他の台木と比べて施肥リン酸利用効率が高かった。3. 栽培前の深さ0~60cmにおける土壌中無機態窒素量の平均値が1.7mg/100gを超える圃場において,本試験に供した台木を利用することで,窒素施肥量を慣行施肥基準の半分である「ちばエコ農産物」栽培基準に減少させても慣行の施肥を行った場合と同等の収量・品質が得られた。4. 台木の利用と減窒素施肥を組み合わせることで,栽培後の圃場に残存する硝酸態窒素量を抑えることができた。

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