レモン自然交雑実生における三倍体の出現と新品種‘イエローベル’の育成

書誌事項

タイトル別名
  • Appearance of triploids in natural hybrid seedlings of lemon and breeding of new cultivar 'Yellow Bell'
  • レモン シゼン コウザツ ミショウ ニ オケル サンバイタイ ノ シュツゲン ト シン ヒンシュ'イエローベル'ノ イクセイ

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説明

レモン3品種の自然交雑種子を播種し,1果実当たりの三倍体の出現数は,0.36~0.70個体/果であった。発芽した実生における三倍体出現率は,重量が大粒種子の1/3未満1/5以上の小粒種子では46.6~59.6%,1/5未満の極小粒種子では37.5~47.6%で高いことから,レモンでは二倍体どうしの交配においては,小粒の種子を選抜すれば,効率よく三倍体が得られることが明らかになった。 自然交雑実生から得られた三倍体は,88.2%が花粉を形成したが,花粉量は少なく,種子数は1個未満が80%で無核性の系統が多かった。また,‘道谷系ビラフランカ'の自然交雑実生から三倍体を選抜し,レモン新品種‘イエローベル'を育成した。樹勢は強く枝梢は密に発生し,枝梢の長さは中で節間は短い。枝梢のとげの発生割合は65.8%で多い。成熟期は果汁割合が高くなる12月中旬である。果実は球~長球形で,果実重は約214gである。果皮はやや滑らかで,果皮は5.1mmで薄く果汁が多い。香気は中である。種子は1果当たり2.9個で少ない。酸度は約5.3%でまろやかな食味である。このように‘イエローベル'は,酸度が低い,果汁が多い,種子が少ないなどの特長があり, レモンの需要拡大への利用が期待される。

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 13 (1), 19-26, 2014-01

    東京 : 園芸学会

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