分娩前乳房炎検査を活用した乳房炎低減対策

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タイトル別名
  • Influence which an ante-partum mastitis inspection has on the onset of mastitis at the time of a delivery
  • ブンベン ゼン ニュウボウエン ケンサ オ カツヨウ シタ ニュウボウエン テイゲン タイサク

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抄録

分娩予定日10日前の乳汁を採取し,乳汁性状とCMT変法による乳房炎陽性反応との関係および分娩前の治療効果を調べた。分娩前の乳汁性状は,粘度の高いスコア4から粘性がなく初乳様,牛乳様および水様を示すスコア3,2および1の4種類に分類された。乳汁性状と乳房炎陽性反応との関係は,スコア4,3,2および1の順に高くなった。なお,分娩前の乳汁採取により分娩後の乳房炎感染率が上昇することは認められなかった。また,分娩前の乳房炎治療は,分娩時の乳房炎発症を抑制するが,その治療効果は,治療後3日以降に分娩した場合に明確であった。さらに,分娩前治療は,無処置の場合と比べて分娩時の乳房炎陽性率が低くなり,生乳出荷までの日数および廃棄乳量の減少が認められた。以上のことから,分娩前乳房炎検査は,乳房炎陽性分房の早期発見および早期治療が可能となり,乳房炎予防対策の1つの方法として利用できることが示された。

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