高知県の施設キュウリ栽培におけるリン酸の蓄積実態

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タイトル別名
  • The accumulation of phosphate in greenhouse soils cultivating cucumber Plants in Kochi
  • コウチケン ノ シセツ キュウリ サイバイ ニ オケル リンサン ノ チクセキ ジッタイ

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抄録

施設キュウリ栽培圃場におけるリン酸蓄積実態を把握するため,高知県内の主要産地において25圃場を対象に聞き取り調査と土壌分析を行った。1. キュウリの連作年数は10年以上の圃場が多かった。調査圃場では基肥,追肥ともに複合肥料が使用され,リン酸の施肥量は窒素に比べて高知県の定める促成栽培キュウリの施肥基準値を超過する事例が多かった。2. 可給態リン酸(トルオーグ法)は,作土層では100.9~656.3mg/100gであり,全調査地点で,本県の土壌改良目標値(30~100mg/100g)以上であった。また,下層でも可給態リン酸の蓄積が認められ,作土層の可給態リン酸値が高いほど下層でも高かった。可給態リン酸と水溶性リン酸,可給態リン酸と全リン酸のそれぞれの間には正の相関関係が認められた。3. 作土層の塩基飽和度およびCECは高知県の施設畑土壌改良目標値(70~90%,12me/100g)よりも高い圃場が多く,塩類が集積する傾向であった。4. リン酸吸収係数と全リン酸,交換性カルシウム,マグネシウム,CECにはそれぞれ高い正の相関がみられ,カルシウムやマグネシウム型のリン酸の蓄積が示唆された。

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