中心目珪藻Chaetoceros simplex var. calcitrans PAULSEN培養個体群の増大胞子相への同調

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  • チュウシンモク ケイソウ Chaetoceros simplex var.calcitrans PAULSEN バイヨウ コタイグン ノ ゾウダイ ホウシソウ エ ノ ドウチョウ

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抄録

中心目珪藻Chaetoceros simplex var. calcitransの培養中しばしば出現する丸型細胞が増大胞子であることを確認し,増大胞子相への同調と栄養細胞の増殖との関係を明らかにするためにこの実験を行なった。1. この珪藻は有性生殖によって増大胞子を形成し,それから大型の娘細胞を産出する。2. 連続強光下では増大胞子の形成が著しく,増大胞子相に同調された状態が起こる。3. 培養中にみられる栄養細胞の増殖・減衰の繰り返し現象は,栄養細胞相への同調と増大胞子相への同調が交互に現われる結果である。すなわち無性世代と有性世代の交番現象である。4. 増大胞子相に同調したものを,照度を変えまたは新培養液に接種しても,新生栄養細胞の増殖はすぐには起こらない。5. 増大胞子相に容易に同調する点から考えると,赤汐発生の機構についても同調性の観点から再検討する必要がある。6. 魚貝類種苗の餌料としての珪藻生産の技術として,正常形の栄養細胞接種の重要性,増大胞子接種の場合の培養条件の検討,栄養細胞増殖をめざす場合の有性化抑制の必要性,増大胞子の餌料価値と環境形成能研究の必要性について問題を提起した。

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