松島湾の種ガキ採苗期に於ける低塩分水・赤潮及びカキ幼生について

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  • マツシマワン ノ タネ ガキ サイビョウキ ニ オケル テイエンブンスイ , アカシオ オヨビ カキヨウセイ ニ ツイテ

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抄録

1958年7月1日より9月初旬にかけて、水温・比重・pH・硅酸塩・浮遊生物・カキ幼生・カキ附着稚貝・附着硅藻の調査を、湾口・湾外部を主にして行った。この調査結果と宮城県種カキ漁業協同組合の行った湾内調査を併せて考察し、次の結果を得た。1.湾奥部の低塩分水塊とは別に、湾外には別系統の低塩分水塊が存在する。2.この低塩分の水塊の動向によって、湾内・外の環境条件は大きく影響される。3.例年湾口部に見られる赤潮はこれによって起される。4.しかし、この赤潮のカキ幼生に及ぼす被害は論証し難い。5.浮遊硅藻はその減衰後附着硅藻が増殖するので、種ガキ採苗器のヨゴレ発生時期の指標とすることができる。6.カキ幼生は湾外部に高い密度をもって分布する。7.カキ幼生中に畸形が出現したが、これは低塩分のためと考えられる。8.松島湾におけるカキ幼生の生存可能な最低比重は1.015に近い値と考えられる。

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