沖縄県産ネギ類(Allium spp.)の生育特性および香気成分による分類と機能性分析

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タイトル別名
  • Classification of Okinawan Welsh onions (Allium spp.) on the basis of morphological characteristics and volatile aroma compounds, and analysis of their functionalities
  • オキナワケンサン ネギルイ(Allium spp.)ノ セイイク トクセイ オヨビ コウキ セイブン ニ ヨル ブンルイ ト キノウセイ ブンセキ

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抄録

本研究では,沖縄県内7地域のネギ類について,花房形成,夏季休眠の有無および鱗茎の形を検討し,沖縄県産ネギ類の分類を試みた。その結果,津堅産および宜野湾産ネギは九条ネギと同様の花房形成型ネギ類(I型),中城産および竹富産ネギは長崎ワケギと同様の夏季休眠性R型ネギ類(II型),羽地産,備瀬産および真壁産ネギは非休眠性B型ネギ類(III型)の3つのグループに分類された。さらに,I型ネギは太ネギ型,II型およびIII型ネギは細ネギ型であることを見い出した。さらに沖縄県産の地域別ネギ類における香気成分を分析するとともに,各ネギ類の香気成分であるスルフィド類,チオール類,アルデヒド類およびアルコール類の定量値を変数としてPCAを用いて解析した結果,真壁産ネギを除き各グループごとに類似した香気特性を示した。また沖縄県産ネギ類の総ポリフェノールおよび抗酸化活性(ORAC値)を測定した結果,総ポリフェノールは20.1~38.1mg-GAE/100g-FW,ORAC値は855~1,638μmol-TE/100g-FWの範囲にあり,対照の九条ネギおよび長崎ワケギよりも高い含量あるいは活性を示す沖縄県産ネギ類が存在した。しかし,すべてのネギ類における総ポリフェノールおよびORAC活性値は相関を示さず,各産地のネギ類が示す抗酸化活性に対する総ポリフェノールの寄与はそれぞれ異なるため,分類したグループ内のネギ類においても,抗酸化活性に関与するポリフェノールの量や抗酸化物質の種類が異なることが示唆された。

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