黒毛和種去勢牛の育成期における飼料構成の違いが産肉性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of forage ratio in the diet on grouwth of body, feed efficiency and meat production in Japanese Black calves
  • クロゲワシュ キョセイギュウ ノ イクセイキ ニ オケル シリョウ コウセイ ノ チガイ ガ サンニクセイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

黒毛和種去勢牛16頭を用い、生後4~10カ月齢までの粗飼料給与割合の違いが飼料摂取量、発育に及ぼす影響について検討した。試験区として粗飼料の配合割合を高めた発酵TMRを給与した区(試験区:8頭)、購入飼料に依存し、濃厚飼料の配合割合を高めた発酵TMRを給与した区(対照区:8頭)の2区を設定した。育成試験終了後は両区とも同一飼料で肥育し、育成期の飼養方法の違いがその後の産肉性に及ぼす影響について検討した。1 飼料摂取量、飼料要求率、体重および日増体量に差はなかったが、(公社)全国和牛登録協会の黒毛和種正常発育曲線の上限を超える良好な発育が得られた。2 開始時(4カ月齢)と終了時(10カ月齢)に栄養度を(公社)全国和牛登録協会の定める判定法に準じて判定した結果、開始時は試験区、対照区いずれも4.3であったが、終了時には試験区5.4(普通)、対照区5.9(太り気味)となり、有意差が認められた。3 肥育期間中の体重および日増体量には差がなく、両区とも(公社)全国和牛登録協会の正常発育曲線の上限を超える良好な発育であった。4 試験区の枝肉は、平均枝肉重量が500kg以上、肉質等級が全て4等級以上となり、肉量・肉質とも良好な牛肉が生産できた。5 育成から肥育までの1頭あたり飼料費は、試験区が約26千円低減できた。以上の結果から、育成期に自給粗飼料の配合割合を高めた発酵TMRを給与すると、肥育開始時の脂肪蓄積が適度で、肉量・肉質とも良好な牛肉生産が可能であることが示唆された。

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