有田地方における50mメッシュ気温図の作成とその活用

書誌事項

タイトル別名
  • Creating and practical using of 50m grid climate map of air temperature at Arida area
  • アリタ チホウ ニ オケル 50mメッシュ キオンズ ノ サクセイ ト ソノ カツヨウ

この論文をさがす

抄録

1 近隣アメダスポイントの観測気温に連動して50mメッシュ気温を推定する手法(植山,2008a,b; Ueyama,2013)の,和歌山県有田地方への適用性を実証した。2 定点(20箇所)の地形因子と観測気温(約11ヶ月間),川辺アメダス気温,川辺アメダス975hPa面推定気温等をもとに,推定地点要素(Tesc)を特定の地形因子で説明する重回帰式を放射冷却強度(RCS)別に作成した。なお,植山(2008a,b)によると,放射冷却の強い時期と弱い時期を含む半年程度の現地観測データがあれば推定モデルは開発でき,観測地点数が統計的に適切であれば50mメッシュ気温図の作成が可能であるとされている。3 得られた重回帰式により定点(20箇所)の地形因子から求めた推定気温と観測気温との差を検証した。2乗平均平方根誤差(RMSE)から判断すると,有田地方においては日別平均気温で約±1℃以内,日別最高気温と日別最低気温で約±1.5℃以内の誤差で推定できるものと思われた。4 この推定技術を活用し,汎用性の高いMicrosoft Excel2010を使って「近隣アメダス観測値に連動する有田地方50mメッシュ気温推定図」や,利用者が独自で任意のメッシュを選択し,該当メッシュの気温データを取り出せるファイルを作成した。5 いつ頃,どの地域でどれくらい冷え込んだのかを視覚で確認できるよう,最低気温が指定した気温以下であった日数が,任意で選んだ月旬の何%であったのかをマップ表示させるファイルを作成した。6 和歌山県果樹試験場における過去の生育調査結果と気象観測データをもとに,特定期間の日別平均気温の旬別平均値で開花始期・開花盛期を予測する重回帰式を求めた。この式に50mメッシュ推定気温を代入することにより,開花始期・開花盛期の予測日を50mメッシュで表示させた。なお,2014年に定点(20箇所)で確認した予測精度は±2日以内であった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ