静岡県における侵入害虫チャトゲコナジラミの発生確認と分布拡大

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タイトル別名
  • The first observation and rapid spread of infestation of the tea spiny whitefly, Aleurocanthus camelliae Kanmiya and Kasai in Shizuoka Prefecture, Japan
  • シズオカケン ニ オケル シンニュウ ガイチュウ チャトゲコナジラミ ノ ハッセイ カクニン ト ブンプ カクダイ

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抄録

チャやツバキ科樹木等を加害する侵入害虫チャトゲコナジラミAleurocanthus camelliae Kanmiya and Kasaiが,2010年10月に菊川市倉沢の茶園において県内で初めて確認された。その後,県内の他地区でも本種が発見され,2012年5月までに東・中・西部地域の計22地区で発生を認めた。侵入源は,既発生地の近畿地方からチャ苗を持ち込んだこと以外に,茶園近傍に植栽されたツバキやサザンカなどの緑花木である可能性が高かった。菊川市倉沢地区の初発生地を中心とした周辺約4km2内の茶園における本種の発生の有無を2010年11月に調査したところ,初確認地に近いほど発生ほ場率は高かったが,初確認地から直線距離にして約1.4km離れたほ場でも発生を認め,この地域では初確認時点ですでに分布が広がっていたことが示唆された。本種は,2012年秋頃には県内の主な茶産地に蔓延し,県内50茶園の定点調査によると2013年6月には,その発生面積率は100%に達した。茶園に侵入後の増殖過程を簡単なシミュレーションにより推定した結果,侵入後2~3年を経て甚発生状態に至ることが示された。

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