飼育水に添加する微細藻類種の違いがナシフグ稚魚の鼻孔隔皮形成に与える影響

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タイトル別名
  • A study on the effects of different unicellular algae in rearing water on deformity of the inter-nostril epidermis in larval pear puffer, Takifugu vermicularis

抄録

飼育水に添加する微細藻類種の違いが,ナシフグ仔稚魚の鼻孔隔皮形成に影響を与えるか検討した。人工授精で得た同腹のふ化仔魚を用いて,微細藻類添加試験(添加期間: 日令3~29)を実施した。試験は,A区: DHA強化濃縮淡水クロレラ(約150億細胞/mL)を150mL,B区: 濃縮ナンノクロロプシス(約70億細胞/mL)400mLを1日1回飼育水に添加した。餌料はワムシ,アルテミア,配合飼料を仔稚魚の成長に従って与えた。鼻孔隔皮状況の確認には,日令30~66に各水槽から各々30~101個体を採取し,両側の鼻孔について隔皮の有無を確認した。鼻孔隔皮形成状況は,日令30において,A区(n=30)で両側欠損10%,片側欠損40%および正常50%,B区(n=30)では両側欠損10%,片側欠損6.7%および正常83.3%であった。取り上げ時(飼育終了時: 日令66)においてもA区(n=101)で両側欠損18%,片側欠損28%および正常54%,B区(n=101)では両側欠損11%,片側欠損17%および正常72%であった。以上のことから,飼育下において本種は日令30までに,ほぼ鼻孔隔皮を完成する一方で,添加する微細藻類の種類で鼻孔隔皮正常率に差異が現れることがわかった。

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被引用文献 (1)*注記

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