無花粉のユリ新品種‘ルビーマジック’の育成経過とその特性

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タイトル別名
  • Breeding process and characters of the new pollenless lily cultivar 'RUBY MAGIC'
  • ムカフン ノ ユリ シン ヒンシュ'ルビーマジック'ノ イクセイ ケイカ ト ソノ トクセイ

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抄録

これまでに育成した,花色がピンク色で有花粉のユリ品種‘杜の乙女’,‘杜の精’,‘杜のロマン’,‘みやぎFL5号’および‘みやぎFL6号’にない特性をもつ新品種の育成を目的として,上向き咲きシンテッポウユリと花色が複色のアジアティックハイブリッド間での交雑を検討した。その結果,増殖性,球根肥大性,小球開花性,花色,花形等の優れた無花粉のユリ新品種‘ルビーマジック’を育成した。球根生産体系を確立するために,開花球養成のためのりん片繁殖について検討したところ,3月上旬に袋詰め法によって子球を形成させ,形成された子球は5月下旬に雨よけハウス内または露地に植え付け,11月下旬に球根を掘り上げることにより,開花球を生産できた。切り花生産のための栽培特性について検討した結果,球径30mm以上の球根を植え付け,採花期ごろまで適度な土壌水分を維持することで商品性の高い切り花を生産できた。また,切り花はユリ専用前処理剤に浸漬することで日持ち性を向上させることができた。周年生産を行うための作型開発については,低温処理を組み合わせることにより,1月下旬~6月下旬に開花させる超促成栽培~半促成栽培が可能であることが示された。現地で生産された切り花の試験販売について検討した結果,切花長60~80cmの切り花が,5月下旬~7月上旬に,市場・量販店・生花店・直売所に出荷された。現地で生産され試験販売された切り花について,実需者の評価を聞き取った結果,各調査項目ともおおむね良好な評価であった。色合い・無花粉・微香性という特性は,高く評価された。

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