乳用牛における自給飼料多給型発酵TMRの給与が乳生産等に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of feeding fermented TMR containing a large proportion of self-supplied feed on lactational performance of daily cows
  • ニュウヨウギュウ ニ オケル ジキュウ シリョウ タキュウガタ ハッコウ TMR ノ キュウヨ ガ ニュウセイサン トウ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

輸入乾草および輸入穀物飼料をオオムギホールクロップサイレージ(オオムギWCS)、飼料用米、食品製造副産物等の国産飼料原料で代替した自給飼料多給型発酵TMRを調製し、泌乳中後期牛を用いた短期給与試験を行い、以下の結果を得た。1 乾物摂取量(DMI)は、自給飼料区が23.8kg/日、対照区24.9kg/日で差が認められなかった。2 乳量は、自給飼料区28.5kg/日、対照区32.8kg/日で差が認められなかった。乳成分では、自給飼料区の乳中尿素窒素(MUN)が低い傾向(P<0.1)が見られたが生乳取引上問題となる値ではなかった。乳脂率、無脂固形分率、乳蛋白質率および乳糖率には差が認められなかった。3 血液生化学性状は、自給飼料区の血中尿素窒素(BUN)が低い傾向(P<0.1)を示したが正常値の範囲内であった。それ以外の項目には差が認められなかった。4 第一胃内容液性状は、自給飼料区で酢酸割合が低い値(P<0.05)を示したが正常値の範囲内であった。それ以外の項目には差が認められなかった。5 飼料の消化率および窒素出納に差は認められず、国産飼料原料を主体とした発酵TMRを給与しても飼料効率は低下しないことが確認された。6 1kgあたり飼料費は、自給飼料区28.4円、対照区34.2円となり、自給飼料区で5.8円低減できた。牛乳1kg生産に要した飼料費では、自給飼料区36.7円、対照区44.7円となり、自給飼料区で8円低減できることが明らかになった。以上のことから、国産飼料原料が乾物中80%以上からなる発酵TMRを泌乳中後期牛に給与しても、乳生産は対照区と同等で、第一胃内容液性状および血液生化学性状も正常値の範囲内であることから、飼料費の低減に有効であることが示唆された。

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