湖沼における底質コア採取に係る評価方法 : 福島原発事故起源の放射性セシウムを指標として

書誌事項

タイトル別名
  • Assessment of error in sediment core sampling in lakes using radiocesium derived from the Fukushima Nuclear Accident
  • コショウ ニ オケル テイシツ コア サイシュ ニ カカル ヒョウカ ホウホウ : フクシマ ゲンパツ ジコ キゲン ノ ホウシャセイ セシウム オ シヒョウ ト シテ

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抄録

湖沼に沈着した福島原発事故起源の放射性セシウムを指標として利用することで,底質採取における撹乱・採り逃しを評価できる可能性に注目し,2つの手法によって採取された底質コアの比較を試みた。対象湖沼は底質の性状が異なる2湖沼(霞ヶ浦,中沼)とし,離合社製不撹乱柱状採泥器(HR型)を用いて得られた底質コアを,スキューバダイバーにより採取された底質コアと比較した。両湖沼ともに,底質中の放射性セシウム濃度はおよそ深度0~20cmにかけて大きく変化しており,底質採取に係る評価に利用できると考えられる。柱状採泥器によって得られた放射性セシウム濃度の鉛直分布および単位面積当たりの放射性セシウム放射能量(インベントリー)は,ダイバーによって得られた結果と非常に近いことから,柱状採泥器による採取時の撹乱・採り逃しはダイバーによる採取と比べて大きくないと推察された。以上より,柱状採泥器でダイバーとほぼ同様な底質コアを採取可能であることが検証され,湖沼採泥評価に係る放射性セシウムの指標としての有用性が示唆された。

収録刊行物

  • 陸水學雜誌

    陸水學雜誌 78 (1), 67-74, 2017-01

    松本 : 日本陸水学会

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