晩植栽培に適した低アミロース米水稲品種「ミルキースター」の育成

書誌事項

タイトル別名
  • 'Milky Star', a new rice cultivar with late-planting suitability and low-amylose content in endosperm
  • バンショクサイバイ ニ テキシタ テイアミロース ベイ スイトウ ヒンシュ 「 ミルキースター 」 ノ イクセイ

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説明

「ミルキースター」は、「東北168号」に「関東194号(ミルキープリンセス)」を交雑した雑種後代から作物研究所において選抜し、育成した低アミロース米水稲品種である。「関東224号」の地方系統名で栽培特性を検討し、早植栽培だけでなく麦あと晩植栽培においても優秀性が確認されたため、2009年に品種登録出願を行った。この品種の育成地(中央農業総合研究センター谷和原水田圃場)での麦あと晩植栽培における特徴は以下の通りである。1. 出穂期は「ミルキープリンセス」より1日、成熟期は2日遅く、育成地では“早生の晩”熟期に属する。2. 稈長は「ミルキープリンセス」並である。穂数は「ミルキープリンセス」より少なく、草型は“偏穂重型”である。耐倒伏性は「ミルキープリンセス」並の“強”である。3. 玄米重は「ミルキープリンセス」より12%多収である。4. いもち病真性抵抗性遺伝子型はPia,Piiと推定される。圃場抵抗性は、葉いもちが“中”、穂いもちが“やや強”である。白葉枯病抵抗性は“やや弱”である。稲麦二毛作で懸念される縞葉枯病には“抵抗性”である。5. 玄米の外観品質は「ミルキープリンセス」並の“中の中”である。アミロース含有率は、「ミルキープリンセス」と同等の9.2%である。炊飯米の食味は「朝の光」より明らかに優り、「ミルキープリンセス」並かやや劣る。6. 以上、晩植における多収性、良食味性および縞葉枯病抵抗性等の特性から、「ミルキースター」は麦あと晩植地帯向けの低アミロース米品種として、普及・活用が期待される。

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