里山林の照葉樹マテバシイと人間生活の関わりの歴史

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タイトル別名
  • Historical relationship between Pasania edulis, the evergreen tree in rural natural environment, and human lives
  • サトヤマリン ノ テリハジュ マテバシイ ト ニンゲン セイカツ ノ カカワリ ノ レキシ

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抄録

マテバシイは日本固有のブナ科常緑広葉樹であり,森林区分では照葉樹林帯の一部,気候区分では南海型の場所に生育する。沖縄県を含む南西諸島,九州の西部,紀伊半島では和歌山県,関東では千葉県,神奈川県の南端,四国では高知が該当する。マテバシイどんぐりは古くから救荒食として利用されてきた。材を薪炭,枝をノリひびに使うために里山に植栽されてきたため,自然分布は不明となっている。かつて積極的に植栽され,人々の暮らしに活用されてきたマテバシイは現在では利用されずに放置されている。材でのシイタケ栽培,どんぐり料理などが提唱され,少しずつ利用への機運はあるが,まだ全体的な盛り上りに欠ける。本校では,マテバシイが人々の暮らしと関わって活用されてきた歴史を振り返る。さらに,森林の機能の持続的維持のため,樹の利用に有効な方法について近年の研究事例を紹介する。

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