北海道におけるブロッコリーべと病の発生と防除

抄録

平成15年の9月~11月,北海道の伊達市,南幌町,滝川市でブロッコリーの葉に黄化した不整形病斑が認められた。また,異なる症状として花蕾主茎が黒褐変する症状も認められた。これらの病斑部を検鏡すると気孔より分生子柄が抽出して数回又状に分岐し,その先端に分生子が生じていた。分生子の大きさは18~31×17~28μm(平均23.4×20.8μm)であった。分生子懸濁液をブロッコリー(品種: 「緑嶺」)に噴霧接種したところ,葉の不整形病斑が再現された。アブラナ科植物へ接種したところ,ブロッコリー,カリフラワー,キャベツおよびハボタンで発病が認められ,ハクサイおよびルタバガでは葉の小褐点症状が認められた。以上から,Peronospora parasiticaによるブロッコリーべと病の北海道における初発生を確認した。また,本病に対し,防除薬剤を試験したところ,銅(塩基性硫酸銅)水和剤およびノニルフェノールスルホン酸銅水和剤が有効であった。

収録刊行物

  • 北農

    北農 84 (3), 261-264, 2017-07

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