集成材の適正接着条件の検討(1) : 冬期および夏期における積層接着

抄録

水性高分子-イソシアネート系木材接着剤(API接着剤)および短時間硬化型のレゾルシノール樹脂接着剤(RF接着剤)を使用し、スギ、ヒノキ、スプルース、オウシュウアカマツ、およびベイマツの5プライ集成材を冬期および夏期に種々の接着条件で作製した。減圧加圧はく離試験を行った結果、API接着剤を使用し冬期に接着した試験体では、圧締時温度10℃で30分間圧締した場合、スプルースを除きはく離が多く発生した。しかし時間圧締時間を長くすると、いずれの樹種でもはく離は顕著に減少した。圧締時に保温した試験体では、保温しなかった試験体と比較して、はく離はわずかに減少し、さらに圧締時および養生時に保温を行うと、はく離は顕著に減少した。RF接着剤の冬期接着では、圧締時温度が10℃であっても長時間圧締するとはく離はわずかであった。また、圧締時の雰囲気温度が15℃以上であれば、はく離は少なかった。API接着剤の夏期接着では、ベイマツを除いた他は、堆積時間が適切であれば、塗布量を削減してもはく離は少なかった。RF接着剤の夏期接着においても、堆積時間が適切であれば、圧締時間が短くともはく離は少なかった。ブロックせん断試験では、冬期に保温せず、圧締時間が短い条件で木部破断率が低下する場合があったものの、せん断強度は低下せず、全般的に接着条件の差は明瞭には認められなかった。

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