低酸素・高二酸化炭素下の貯蔵がカボチャ果実の品質に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of storage at low-oxygen and high-carbon dioxide concentrations on quality of squash fruit (Cucurbita maxima Duch.)
  • テイサンソ ・ コウニサンカ タンソ カ ノ チョゾウ ガ カボチャ カジツ ノ ヒンシツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

カボチャの品質保持期間延伸を目的として,カボチャ果実の貯蔵にMA包装貯蔵およびCA貯蔵を適用し,低O2,高CO2条件下での低温貯蔵がカボチャの品質に及ぼす影響について,外観や内容成分の変化から検討した。その結果,以下の知見を得た。(1) MA包装により,果皮の緑色保持および果肉色の赤み増加効果が明らかとなった。包装内結露,果実の腐敗,食味の異味等の発生状況から,MA包装の条件として,O2濃度15%,CO2濃度5%が適すると判断した。(2) 内容成分の変化において,貯蔵の経過に伴う乾物率および硬さの減少程度は,MA包装区の方が対照区より小さいが,両者に有意な差はみられなかった。しかし,MA包装区の全糖含量の増加は,対照区と比べ有意に大となった。また,果肉色のa*値は,貯蔵の経過に伴い増加し,61日後以降はMA包装区が有意に大となった。(3) CA貯蔵において,全糖含量には高CO2条件,果肉a*値の増加および果皮の黄化指数の抑制には低O2条件の寄与が大きいことがわかった。これらのことから,低O2,高CO2条件下での3か月間の貯蔵により,カボチャの全糖含量および果肉の赤みを増加し,果皮の緑色の退色を抑制することができ,品質保持期間延伸の可能性が示された。

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