家畜暴露レベルを指標とした日本の動物用抗菌剤使用量の算出

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluating the antimicrobial use in food-producing animals in Japan using the animal level of exposure for antimicrobials (ALEA)
  • カチク バクロ レベル オ シヒョウ ト シタ ニホン ノ ドウブツヨウ コウキンザイ シヨウリョウ ノ サンシュツ

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抄録

家畜への抗菌剤の使用は,薬剤耐性菌が選択される原因となる。このため,耐性菌の選択圧を測定できる指標を用いた抗菌薬使用量モニタリングが重要である。家畜の抗菌剤使用量の評価において用量を反映する方法の一つにDefined Course Dose(DCD)を用いる方法があり,今回我々はDCDをベースとした家畜の抗菌剤暴露レベル(Animal Level of Exposure for Antimicrobials: ALEA)を用いて日本の家畜の抗菌剤使用量の解析を行った。各抗菌剤の投与対象動物および投与経路ごとに承認された用量に基づいてDCDを設定し,2005年~2015年の有効成分販売重量と家畜バイオマス重量からその家畜の中で抗菌剤に暴露された割合(ALEA)を算出した。ALEAでも有効成分重量でもテトラサイクリン系が最も多かったが,その次は有効成分重量ではサルファ剤であったが,ALEAではペニシリン系となった。またALEAではサルファ剤とトリメトプリム(オルメトプリムを含む)が近い暴露レベルを示すなど,他の指標(バイオマス当たりの有効成分販売重量など)に比べ,実際に投与されている状況をより反映していると考えられた。

収録刊行物

  • 家畜衛生学雑誌

    家畜衛生学雑誌 43 (4), 161-168, 2018-02

    武蔵野 : 日本家畜衛生学会

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