三浦半島地域における部分不活化花粉を用いたトンネル早熟栽培スイカの種なし化

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タイトル別名
  • Production of diploid seedless watermelon using partially inactivated pollen for plastic-tunnel culture in Miura Peninsula
  • ミウラ ハントウ チイキ ニ オケル ブブン フカツカ カフン オ モチイタ トンネル ソウジュク サイバイ スイカ ノ タネ ナシ カ

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抄録

三浦半島地域のトンネル早熟栽培において,小玉スイカ2品種及び大玉スイカ9品種を供試して軟X線照射した花粉(以下,部分不活化花粉)を受粉したところ,すべての品種で稔実種子のない種なしスイカが得られた。品種によって,種皮が茶色または黒色の着色しいなが発生し,その数は品種や栽培年次によって1果当たり0~324個であった。部分不活化花粉受粉後の袋掛け作業の代替法として,ビニタイで花弁先端部を束ねる方法でも袋掛けと同等の種なし効果が得られ,果重,結実率及び糖度も同等であった。開花前日の蕾に部分不活化花粉を受粉する方法では,結実率が12.2%と低かった。また,部分不活化花粉の購入コストを結実率20~40%,受粉回数3~5回と想定して試算したところ,1果当たり101~253円になった。以上の結果,当該地域のトンネル早熟栽培においては,適切な品種選定及び普通花粉の受粉防止を行うことにより,部分不活化花粉を用いた種なしスイカが経済レベルで得られることを明らかにするとともに,着色しいながほぼ発生しないスイカの有望品種として,小玉品種では‘マダーボール’,大玉品種では‘夏まくら’,‘祭ばやし11’及び‘赤い彗星’を選定した。

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