ゲノム医療に導く新たな大学院実習教育の試み : 研究シミュレーション実習の概要と成果

書誌事項

タイトル別名
  • ゲノム イリョウ ニ ミチビク アラタ ナ ダイガクイン ジッシュウ キョウイク ノ ココロミ : ケンキュウ シミュレーション ジッシュウ ノ ガイヨウ ト セイカ
  • A New Graduate Training Program for Genomic Medicine : Outline and Results of a Simulation Based Practical Training Program

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説明

ゲノム医療が全国規模で展開する時代に入っているが、そのための人材育成は全体に等しく進んでいるとは言い難い。今後は専門の教員が不足している大学でも、ゲノム医療の技術的な背景となる網羅的遺伝子解析に接し、技術の要点と利便性を理解するための教育機会を用意することが必要になる。本研究では、初心者に向けた体験実習として、データベースとパスウエイ解析を使う「研究シミュレーション実習」を考案、実施し、医学系大学院生のゲノムリテラシーの向上に及ぼす影響を調べた。まず、福井大学医学系大学院生を対象とした調査から、大学院生の約90%がバイオインフォマティクス系の教育が不十分と考えていることが明らかになった。そこで、大学院生を主な対象にした研究シミュレーション実習を、2015~2018年に福井大学大学院医学系研究科博士課程の選択授業の一つとして実施した。受講者アンケートの結果は、実習としての評価が総合的に高いこと、今後の医療における網羅的解析技術の重要性を認識させる効果があったことを示していた。これらの結果は、ゲノム医療教育を始めようとする大学にとっての研究シミュレーション実習は、ゲノム医療に携わる人材育成の入り口として有効な教育的役割を果たすことを証明している。

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