バリアフリー基本構想の市民提案制度の課題

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タイトル別名
  • バリアフリー キホン コウソウ ノ シミン テイアン セイド ノ カダイ
  • The Issues of Citizen Proposal System for Barrie-free Basic Design

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説明

「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」において、バリアフリー基本構想の市民提案制度が創設された。しかし、現在に至るまで数事例にとどまっている。そこで、本研究では市民提案型バリアフリー基本構想の先進事例の分析および市民提案型バリアフリー基本構想作成の試行とモニタリング調査を通して、そのプロセスおよび制度等における課題を把握することから、市民提案がなされるための必要条件を<市民><行政><制度等>別に明らかにした。<市民>には、多大な時間・労力を出せる当事者の存在、多様な人々の意見を取り入れる仕組み、障害種別をまたいだ当事者によるグループ形成、異なる種別の障害者間の相互理解、議論を統率して活動を推進できるリーダーの存在、当事者の思いをアウトプットできる事務処理能力、専門知識の獲得、情報保障(点字資料の作成、手話通訳の手配等)、活動費、<行政>には、バリアフリー基本構想に取り組むマインド、市民提案を積極的に活用する姿勢、担当部署の明確化、福祉部局・都市計画部局等の横の連携、住民提案を受けた際の手続きの規定と受入体制、市民提案から基本構想に至るまでのプロセスの明確化、財源、<制度等>には、分かりやすいバリアフリー基本構想作成の手引き、自治体以外に市民が相談できる窓口、市民提案が出された時に審議する第三者機関が必要である。さらに、市民提案を出しやすくするための手法として、①アドバイザー派遣の創設、②活動費の補助制度の創設、③自治体のバリアフリー基本構想および市民提案制度に対する意識啓発、④担当部署の明確化と継続協議会の設置、⑤市民提案から基本構想に至るプロセスの明確化、⑥第三者機関の設置を提案した。

Barrier-free Act introduced the citizen proposal system. But there are only a few cases. This research revealed the problems of the present citizen proposal system through the analyses of leading cases and monitoring study of barrier- free basic design planned by the citizen, and suggested the measures to put this system to practical use. There are six measures; adviser sending system, subsidy, development of municipal attitude for barrier- free basic design, designation of a department in charge, clarification of the process from the citizen proposal to the formulation of barrier-free basic design and foundation of third-party institution.

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