セレベス海におけるマグロ延縄の水平的形状と漁況とについて

書誌事項

タイトル別名
  • On the Relation Between the "Horizontal Tuna-Long-Line Form" and the Spot Foretelling of the Fishing Condition in the Celebes Sea
  • セレベス海におけるマグロ延繩の水平的形状と漁況とについて
  • セレベスカイ ニ オケル マグロ ハエナワ ノ スイヘイテキ ケイジョウ ト ギョキョウ ト ニ ツイテ

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説明

1959~1962年の間のセレベス海,マラツア島近海漁場における,多数の縄位置をプロットして,水平的縄の形状並びに縄の流動の状態を観測し,これをA,B,Cと3種の型に大別し,この型と海況,漁況との関係を考察した。A型の場合は,漁場付近で暖水帯と冷水帯とが相接し,潮境を構成しているようであり,そのため縄の移動量が少なく,流動方向も区々で,彎曲,交叉が相当あり,鉛直温度分布より躍層が150~200mの間に存在し(150m層,水温平均21.3°C),釣針深度が躍層以浅の暖水中にあるものと思考され,その結果キハダの好漁をもたらしたものと考察される。また,B型は,漁場付近が冷水帯の流水中に存在し,そのため,縄の移動も大きく,定常方向に流され,彎曲,交叉が全然出現しないものと考える。また,水温,躍層もA型に比し浅く(70~150mの間),150m層の平均水温は18°Cであり,この場合においては,釣針もほぼその付近に存在し,このことが漁況不振の原因となっているように考察される。C型は,出現回数が少なく,持続性なく,1~2日でA,B型に変化するものである。以上のように,水平的縄なりは漁況と密接な関係を有し,その結果水平的縄なりの観察は現場において漁況を予察し,早期海況予報を可能ならしめ,操業計画並びにその後の航海計画樹立に大いに役立つものであると考察する。

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