非浸漬筋の酸素消費及び血流量に与える半身浴の効果

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  • Effect of Partial Warm Bathing on Oxygen Consumption in Nonbathing Muscle

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現在までに入浴による全身的代謝亢進については報告されているものの、非浸漬筋における筋酸素消費動態について確認された研究は見当たらない。本研究は、より安全な半身浴法を用いて、42℃、10分間の入浴を行い、非浸漬筋の筋酸素消費及び血流量変化について検討することを目的とした。被験者は健康な女性8名(平均年齢20歳)であり、半身浴は左右上前腸骨棘が浸かるまで下肢全体を入浴させた。測定項目は、舌下温、心拍数、平均血圧、そして非入浴肢である左前腕屈筋群の酸素消費及び血流量について NIRS を用いた静脈遮断法により評価した。その結果、舌下温は36.5 ± 0.4℃から37.3 ± 0.2℃へ有意に増加し、心拍数も68.6 ± 8.2 beats/min から90.5 ± 8.2 beats/min まで約20拍以上増加した。平均血圧は入浴直後に一時増加したものの、その後は緩やかに減少した。静脈遮断時 deoxy Hb/Mb 増加量から得られる筋酸素消費率は入浴10分で安静時の121.7%へ有意に増加した。また、筋血流量変化の指標とした静脈遮断時 total Hb/Mb増加量は、入浴10分で安静時の111.4%へ有意な増加を示した。これらのことから、42℃、10分間の半身浴は、全身的な血液循環を亢進させ、非浸漬筋の筋血流量増加と酸化的代謝を亢進させる効果をもつ可能性が示された。

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