「すべての価値の価値転換」に合理的根拠はないのか : ブライアン・ライターのニーチェ解釈の批判

書誌事項

タイトル別名
  • “The revaluation of all values” does not have reasonable grounds? : a critique of Brian Leiter’s interpretation of Nietzsche
  • スベテ ノ カチ ノ カチ テンカン ニ ゴウリテキ コンキョ ワ ナイノカ : ブライアン ライター ノ ニーチェ カイシャク ノ ヒハン

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抄録

英語圏のニーチェ研究を牽引する一人であるブライアン・ライターは,ニーチェ道徳思想の自然主義的特徴とその意義を強調する一方,ニーチェの価値転換の思想の意義を貶める議論を展開している。その議論を受け入れるかどうかによって,ニーチェ思想全体の解釈の方向性は大きく変わる。本稿は,ライターの議論を大きく二つの点で批判し,ニーチェの価値転換思想の意義を再確認することを目的とする。第一に,ライターは,論理的に飛躍のある議論によって,ニーチェが依拠する力という価値の規範的特権性を奪い取ってしまう。第二に,ライターは,やはり論理に飛躍がある推論に基づいて,価値転換の議論が不合理でレトリカルなものにすぎないと主張する。彼はこのような議論により,極端に価値相対主義的な立場をニーチェに帰することによって,力という価値に依拠した価値転換という,実質的で規範倫理学的なニーチェの議論の理論的意義を破壊してしまうような解釈に至ってしまっている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050845763823893120
  • NII論文ID
    120006605175
  • NII書誌ID
    AN00408529
  • ISSN
    03896684
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10232/00030517
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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