短期記憶の連続時間モデルに基づいた文字列の最適提示速度

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  • タンキ キオク ノ レンゾク ジカン モデル ニ モトズイタ モジレツ ノ サ
  • Optimum Presentation Speed of Character Sequence Based on Time Continuous Model of Short-Term Memory

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抄録

筆者の一人が提案した短期記憶の連続時間モデルに基づいて、CRTディスプレイの画面上の同一位置に順次提示される文字列の最適提示速度を決定した。ここで、文字列はランダムに選んだ英大文字6個より成り、最適提示速度とは、これらの文字が提示された直後にそれらを自由再生したときの平均再生文字数が最大となる提示速度を指し、具体的には各文字の提示時間で表される。まず、7名の被験者で簡単な記憶実験を行い、その結果とモデル中の四つのパラメータの値をそれぞれ11通り変化させて得られた11個のシミュレーション結果とから、残差2乗和が最小となるパラメータ値を個々の被験者ごとに決定した。次に、それらの値を用い、6文字を順次提示した場合のシミュレーションを、各文字の提示時間を100ミリ秒から1000ミリ秒まで10通り変化させて被験者について106回行い、再生文字数の期待値が最大となる提示速度を求めた。最後に、この速度で実際に提示したときの内観報告をもとに少し修正した提示速度を新たに8種類用意し、再度実験することにより最終的な最適提示速度を決定した。このときの再生文字数の平均値は、提示速度一定の場合の最大値より平均7.7%大きくなった。

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