ランガナータンにおけるファセット概念の展開

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タイトル別名
  • ランガナータン ニ オケル ファセット ガイネン ノ テンカイ
  • Ranganatan ni okeru fasetto gainen no tenkai
  • Development of the concept of facet in Ranganathan's writings

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抄録

type:text

【目的】本研究では, Ranganathan の著作におけるファセット概念の変遷を検討した。 【方法】Ranganathan の著作を発表年順に逐次的に分析した。 【結果】Ranganathan の「ファセット」に関わる著作は3 期に分けられることがわかった。第1 期はファセットおよびファセット式の概念が確立されていく過程である。Colon Classification(CC)は, (1)複数の独立の要素から成る記号を採用している, (2)各要素がファセットを構成している, という二つの特徴をもつことが明らかにされた。第2 期は基本カテゴリーの考えが変遷していく過程である。初期の頃は, 基本カテゴリーには, 初心者がファセット分析を行う際の手引きのような役割を想定していた。詳細かつ複合的な主題に対応する必要性が高まり, 多数のファセットを少数の基本カテゴリーから体現させるという新しい役割が与えられた。しかし, 基本カテゴリーの活用は分類作業の一貫性が保てなくなるという新たな問題を生じさせた。この問題に対して, 第3 期にRanganathanは公準と原理を用いるという解決策を提示している。この時期には, ファセット化分類法と分析合成型分類法との関係や, 既存の分類法におけるCC の位置づけを明らかにする試みも行われたが, どちらも著作によって考えが変化している。これは, CC の二つの特徴(1)(2), および, (3)ファセット分析と記号の合成ができる, という三つの観点をRanganathan が明確に区別できていなかったことに原因がある。

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