日本社会の共同体的特質とその評価

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タイトル別名
  • The Role of Social Capital in Depopulated Areas
  • ニホン シャカイ ノ キョウドウタイテキ トクシツ ト ソノ ヒョウカ

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抄録

バブル崩壊後, 高度成長, あるいは安定成長を支えた日本的経営をはじめとする「日本的」なもろもろの特質に対し批判が生まれた。それらの批判は正しいのか, 「日本的であること」の良さがあるのではないかというのが, 筆者の問題意識である。もう一つの問題意識は, 同じ時期に地方の衰退が一層進んだということに注目し, 地方を活気づけるヒントを得ようという点にある。80年代以降の新自由主義の流れ, 市場原理主義の風潮に対し, 日本的経営や「日本的なるもの」はその対極をなす。それは共同体主義, コミュナリズムによって特徴づけられる。日本的なコミュニティや, 共同体主義をもう一度再評価しようということ, それを地域社会, 特に地方圏の問題に応用することによって豊かさを実感できる地域創りの方策を提示しようというのが, 筆者の問題意識である。本稿は今日の状況を素描した後に, 市場経済とコミュニティの関係, 共同体的性格を持つ組織としてのコモンズ, 日本企業の共同体的特質についての各論者の議論を検討し, 最後に地方圏における共同体主義について北海道を対象にした実証分析の結果を示している。

収録刊行物

  • 經濟學研究

    經濟學研究 61 (4), 75-95, 2012-03-08

    北海道大学大学院経済学研究科

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