The Circumstances Leading up to the Critical Philosophy of Kant. : The Reception of Leibniz and Hume in Eighteenth-Century Germany

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  • カント批判哲学の前史 : 18世紀ドイツにおけるライプニッツ受容とヒューム受容
  • カント ヒハン テツガク ノ ゼンシ : 18セイキ ドイツ ニ オケル ライプニッツ ジュヨウ ト ヒューム ジュヨウ

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本稿では,18世紀ドイツにおけるライプニッツ受容とヒューム受容に関す る近年の研究動向を紹介する。その上で,いくつかの具体例を交えながら, これらの研究がカント批判哲学の哲学史的源泉を解明するために寄与しうる ことを示したい。そのために,1.では,いわゆるヴォルフ学派に関する近 年の研究動向を紹介する。1960年以降,ヴォルフ学派に関する研究が急速に 進められてきた。その原動力となったのが,Georg Olms社によるヴォルフ全 集の刊行である。この全集は,ヴォルフの著作の原典が収録された第一部, 第二部と,ヴォルフ哲学の関連資料が収録された第三部からなる。第三部に は,ヴォルフ以外の18世紀ドイツの哲学者の原典だけでなく,ヴォルフ哲学 の研究書や論文集,国際ヴォルフ協会の機関誌『ヴォルフィアーナ』なども 含まれている。このように,ヴォルフ全集の刊行は,ヴォルフの著作の原典 をはじめとする当時の一次文献のみならず,この分野に関する研究書や論文 集などの二次文献も提供することで,1960年以降の18世紀ドイツ哲学史研 究を牽引し続けてきたのである。2.では,1768年にデュタン版ライプニッ ツ全集が出版されたことが,当時のドイツにおけるライプニッツ哲学の普及 に大きく寄与したことを示す。その上で,ライプニッツとヴォルフ学派の哲 学を比較検討した近年の研究を紹介する。これらの研究の中でも,M.Casula の「予定調和説とライプニッツからA.G.バウムガルテンまでの予定調和説 の発展」は,ライプニッツ・ヴォルフ・バウムガルテンの三者の哲学の相違 点を明らかにした重要な論文である。そこで,2.の後半部では,Casulaの 論文の概説を行う。最後に,3.では,18世紀ドイツにおけるヒュームの著 作の独訳の出版状況を概観する。

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