トゥバ語の証拠性を表すとされる接辞 -dirの機能 : 話し手・聞きの認識から説明

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タイトル別名
  • The so-called evidential suffix -dir in Tyvan: explanation from the perspective of the speaker's and the hearer's knowledge
  • トゥバ語の証拠性を表すとされる接辞-dirの機能 : 話し手・聞き手の認識からの説明
  • トゥバゴ ノ ショウコセイ オ アラワス ト サレル セツジ-dir ノ キノウ : ハナシテ ・ キキテ ノ ニンシキ カラ ノ セツメイ

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抄録

トゥバ語には、もっぱら主節述語に付加される接尾辞 -dir がある。この接尾辞は、動詞述語文の述語にも名詞述語文の述語にも付加される。本稿では、名詞述語文に現れる接尾辞 -dir がどのような機能を持つか明らにすることを試みる。接尾辞 -dir が動詞述語文に現れることは、頻度の上で高くない。この接尾辞が動詞述語文に現れる場合には、証拠性(推測・知覚心理状態)に関わる機能を持つ(第2節で 簡単に触れる)。 これに対し名詞述語文(形容詞述語文を含む)では、接尾辞 -dir が頻出する。接尾辞 -dir は、(語用論的な差異を無視すれば)いかなる名詞述語文にも現れうる。Anderson and Harrison (1999 : 89) では、この接尾辞は断定または証拠性 (assertive or evidential) の機能を持ち、非動詞述語文においては義務的であると記述される。しかし筆者の調査によれば、接尾辞 -dir を決して用いてはならないような語用論的状況が確実に存在する。本稿ではこの接尾辞の機能を、語用論および談話の観点から解明する。結論として、接尾辞 -dir は 名詞述語文において義務的ではないこと、接尾辞 -dir は証拠性でなく話し手・聞き手・の認識から説明すべきであることを主張する。

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