<総説>脱炭素社会のための持続可能な農業 --作物生産と再生可能エネルギ一生産の両立--

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  • 柴田, 大輔
    京都大学生存圏研究所森林代謝機能化学分野・京都大学エネルギ一理工学研究所複合化学過程研究分野

書誌事項

タイトル別名
  • Sustainable Agriculture in the Decarbonizing Society: Co-production of Food and Energy
  • 脱炭素社会のための持続可能な農業 : 作物生産と再生可能エネルギー生産の両立
  • ダツタンソ シャカイ ノ タメ ノ ジゾク カノウ ナ ノウギョウ : サクモツ セイサン ト サイセイ カノウ エネルギー セイサン ノ リョウリツ

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抄録

農業は、田畑の耕運、農作物の収穫、温室や保存庫での温度管理、使用する肥料の製造過程などに化石燃料由来エネルギーを大量に消費しており、気候変動の要因である二酸化炭素を大気に放出している。さらに、農業分野は温室効果がより高いメタンなどのガスも大量に放出している。温室効果ガスが原因となり引き起こされる気候変動が人類活動に深刻な影響を与えるとの懸念から、化石燃料に依存しない社会(脱炭素社会)に向かうために、あらゆる産業で再生可能エネルギーの導入が進んでいる。本橋では、バイオエコノミー、サーキュラーエコノミ一、公共投資、ESG投資、RE1OO、SDGsをキーワードにして農業に再生可能エネルギーを導入することの意義を述べる。近年、太陽光発電コストが急激に下がり、化石燃料発電コストよりも安くなっていることから、従来のバイオマス由来エネルギーを農業に導入する議論だけでは不十分であり、太陽光発電由来エネルギーを導入することの技術的課題を述べ、再生可能エネノレギー駆動型農業(再エネ駆動農業)を提案する。最後に、再生可能エネルギーの導入は農村を中心とした地域コミュニティーを活性化する可能性があり、京都大学が提唱する持続可能な農業に向けたグリーンエネルギーファーム活動を紹介する。

収録刊行物

  • 生存圏研究

    生存圏研究 15 19-27, 2019-11-20

    京都大学生存圏研究所

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