Biological control of Verticillium black spot of Japanese radish using Bacillus spp. and genotypic differentiation of selected antifungal Bacillus strains with antibiotic marker

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  • Bacillus属菌によるダイコン黒点病の生物防除と抗生物質耐性マーカーを付与した分離菌の遺伝的特徴

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抄録

Bacillus属菌は芽胞を形成することで悪条件下でも生存することができ、また広い宿主範囲をもつ抗生物質を産生する。このことから生物防除資材として適しているとされており、その可能性を探って多様な研究が行われている。そこで本実験では、キヨモト・バイオ(株)より分譲されたBacillus属菌3菌株(KB-1, KB-2, KB-3)を用いてダイコン黒点病に対する生物防除資材としての可能性について検討した。二回のポット試験を行った後、圃場内で発病抑制効果をみた。その結果、すべての菌接種区において病原菌単独処理区と比較して病気を抑制している傾向がみられ、特にKB-2、KB-3接種区で優れた効果がみられた。さらに土壌や植物体内から菌を分離しやすくし、より正確なデータを得るために、Bacillus属菌3菌株にマーカーを付与した。すなわち、UV照射により突然変異を生じさせ、アンピシリンに対する抵抗性をもつBacillus系統を選抜した。以上の処理によって得られた合計17菌株を用いて対峙培養を行い、Verticillium dahliaeおよびFusarium oxysporumに対する拮抗作用を調査した。その結果、F. oxysporumに対しては6菌株で、V. dahliaeに対してはすべての菌株で優れた抑制効果がみられた。このことから変異株は病原菌の生育を抑制することが示唆された。また、ITS-PCR, ITS-PCR-RFLP, ERIC-PCRを用いてKB-1, KB-2, KB-3とアンピシリン耐性変異株の遺伝的特徴を調べた。これにより遺伝的にもこれらの菌を識別することが可能となり、今後のポット試験・圃場試験での有効的な活用が期待される。

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