近親交配が日本ウズラの胚発育に及ぼす影響について

書誌事項

タイトル別名
  • キンシン コウハイ ガ ニホン ウズラ ノ ハイ ハツイク ニ オヨボス エイ
  • The Effects of Inbreeding on Embryonic Development in Japanese Quail

この論文をさがす

抄録

近交の結果が日本ウズラの胚発剤に及ぼす影響を明らかにするために,きょうだい交配によって近交3世代に達した日本ウズラを用いて孵卵後33・48時間の中胚葉体節数並びに孵卵後4日から16日までの胚重量について,ランダム交配群との対比において検討を加えた. 得られた結果は以下の通りである. 1)孵卵後33時間の胚の平均中胚葉体節数はきょうだい交配群において8.7±3.22,ランダム交配群において9.8±2.48であり,この差は統計的に有意であった(P<0.001). また,孵卵後48時間の胚の平均中胚葉体節数はきょうだい交配群において22.4±2.20,ランダム交配群において23.0±2.17であり,両群間の差は有意でなかった. 2)孵卵後33時間の胚の中胚葉体節数の頻度分布について検討した結果,きょうだい交配群の胚はランダム交配群の胚に比べて体節数の少ない方へ分布が広がり,分布の型において-0.46と有意な負の歪度がみとめられた(P<0.05). 3)孵卵後33時間の胚の中胚葉体節数の変異について検討した結果,きょうだい交配群における家系内のバラツキがランダム交配群に比較して大きいことが認められた. 4)孵卵後4日から16日までの胚の生重量・乾燥重量について,きょうだい交配群はランダム交配群に比べいずれの日令においても胚重量が劣っていることが明らかにされた. 5)胚の日令に対する増体量の回帰係数と胚重量の回帰式から,きょうだい交配群とランダム交配群との間の成長型について比較検討した結果,成長型では両群間に差は認められなかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ