マツノザイセンチュウから単離したバクテリアの生育と毒素生産に及ぼすリン酸塩の影響

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タイトル別名
  • マツノザイセンチュウ カラ タンリシタ バクテリア ノ セイイク ト ドクソ
  • Effect of Phosphate on the Growth and Toxin-Producing Ability of a Bacterium Isolated from Nematode Bursaphelenchus lignicolus

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抄録

病原性を有するマツノザイセンチュウから単離したバクテリアの完全合成培地を確立し,生育と毒素生産について検討した. 1)バクテリアの生育には,高濃度の無機リン酸塩が必要であり,最適濃度は100mMであった. この無機リン酸塩はATPでは代用できなかったが,G-1-Pは充分な増殖をもたらした. 2)バクテリアの毒素生産能は,普通ブイヨン培地で培養すると消滅するが,高濃度のリン酸塩を含有する培地で培養すると誘導される. 3)毒素生産にはマツの水抽出液が必須であり,毒素の前駆体はマツの体内に存在すると考えられた. 以上の学験結果から,バクテリアは,マツノザイセンュチウの体内でその代謝中間体である,ある種のリン酸化合物を栄養源として増殖し,さらに毒素生産能を獲得した後,マツの材中に放出され,特定の成分を毒素に変換することが推察される。

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