中世フランス文学における英雄の剣 ―ボードゥーの剣オノレをめぐって―

書誌事項

タイトル別名
  • Les épées héroïques dans la littérature française du Moyen Age : à propos d’Honorée, l’épée de Beaudoux

抄録

application/pdf

ロベール・ド・ブロワが13世紀後半に著した『ボードゥー』は,ゴーヴァンの息子ボードゥーの幼少年期に焦点を当てた物語である。母の手で騎士に叙任されたボードゥーが一連の冒険の末に,群島王の姫君ボーテを妻に迎える筋書きの中で重要な位置を占めるのは,ボードゥーが最初の試練で獲得する「オノレ」という名の剣である。そもそも古フランス語によるアーサー王物語群では,アーサー王の剣エスカリボール(エクスカリバー)を別にすれば,オノレのように固有名を伴う名剣は珍しい。オノレという名は騎士が守るべき「名誉」というキーワードをもとにしているが,この名の由来を作中人物が説明している点は特筆に値する。

収録刊行物

  • 人文研紀要

    人文研紀要 93 239-255, 2019-09-30

    中央大学人文科学研究所

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ