省力的手法による主伐後再造林の低コスト化 : 静岡県における調査研究からの試算

書誌事項

タイトル別名
  • Labor-saving, low-cost reforestation after clearcutting : Cost estimation by a practical survey in Shizuoka Prefecture
  • ショウリョクテキ シュホウ ニ ヨル シュバツゴ サイゾウリン ノ テイコストカ : シズオカケン ニ オケル チョウサ ケンキュウ カラ ノ シサン

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説明

主伐後における再造林の低コスト化を図るため,静岡県での実証調査を行い,その経費を試算した。全木集材地は全幹集材地に比べて地拵え経費が低く,緩傾斜地でグラップルを使用した場合は,人力による標準経費の25~42%であった。獣害対策の初期投資としての斜め張りネット柵は,金網柵の37%,縦張りネット柵の70%の経費であった。高速自走式搬器での苗木の運搬経費は,人力運搬による標準経費の6%であった。コンテナ苗をディブルを使って2000本/haの密度で植栽すると,裸苗を3000本/haで植栽する標準植栽の71%の経費であった。植栽密度2000本/haでの坪刈りは,3000本/haで全刈りする場合よりも作業時間が短く,75%の経費と試算された。精英樹交配苗の林地植栽で3成長期後に樹高3m以上となるものが得られ,このような初期成長に優れる苗の植栽によって下刈り回数の削減が期待でき,経費は標準の50~60%になると考えられた。再造林の低コスト化について,緩傾斜地で並材生産を目標とするならば,本研究の実証試験の手法を導入することで,標準経費の61%まで削減できると試算された。

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