簡易牛舎における繁殖雌牛の周年放牧技術の確立(1)

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  • Establishment of the technique of whole year grazing of Japanese Black cow in simple barn (the 1sup(st) report)

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抄録

ビニールハウスを利用した簡易牛舎を用いて周年で放牧を活用した飼養管理を行い、繁殖雌牛の育成成績と繁殖成績、草地状況とハウスの耐候性および分娩産子の発育成績について調査した。繁殖雌牛の育成期において、放牧中は濃厚飼料を1kg/日給与し、冬期は濃厚飼料とチモシー乾草を2kg/日、イタリアンサイレージを飽食とし、種付け前、分娩前後は濃厚飼料を3kg/日に増飼した。その結果、繁殖雌牛の体重は黒毛和種(繁殖雌牛)正常発育曲線の範囲内で推移した。平均種付け回数は1.5±0.87回、平均受胎月齢は15.4ヵ±1.04月齢と全国平均と同程度の成績であり、子牛の生時体重は38.7±7.1kgであった。分娩後、哺乳不足が原因と考えられる子牛の死亡事例が1例みられたことから、離乳までは子牛の観察を強化する等の対策を講じる必要がある。ハウスの耐候性については、平成29年10月23日の台風21号(最大風速21.3(m/s))による被害はみられなかったものの、強風によりハウスバンドが切断し補修を行った。ハウスの耐雪性については、1ヵ所のハウスが積雪(積雪175cm、倒壊前の2日間で90cm)により倒壊した。もう一方のハウスでは積雪80cmで、ハウス横の積雪が落雪と併せて最大170cmとなったものの被害は見られなかった。

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