不整地用多車輪車両の振動特性

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  • フ セイチヨウ タ シャリン シャリョウ ノ シンドウ トクセイ
  • Vibration Characteristics of Multi-Wheel Off-Road Vehicles

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抄録

農用不整地車両として多車輪(6輪)車両を用い,その振動特性を上下方向の加速度を中心に,実験的に検討し,次のような結果を得た. 1.アスファルトのように路面が良好で,凹凸による外力がほとんど無視できる条件下では,振動におよぼす車輪数や走行速度の影響はほとんどみとめられず,車輪ラグによる振動成分が支配的である. 2.単一障害物を乗り越す時の挙動では,4輪と6輪でその特性は異なり,6輪では最後輪が障害物を越し終えた時点で衝撃荷重を受けたような挙動を示すが,4輪では,各軸の車輪が障害物を登り始めるときに,ピーク加速度がみられる. 加速度の大きさについてみると,最大値は低速では6輪の方が大きいが,高速になるにつれ,4輪の方が大きくなる. 3.農道のように不規則な凹凸の路面走行時は,6輪の場合,常に全車輪が接地することは少なく,車両の支持状況が刻々変化することにより,車両の固有振動数を変化さすことになり,共振減少効果がみられ,4輪に比較して,乗心地に対し,多車輪の有効性がみとめられる. 4.規則的な波長をもつ周期波状路面を走行した場合,加遠度の大きさについてみると,走行速度が増加するにつれ,4輪の場合が大きくなり. 増加の割合も6輪に比べ大きい. また,路面波長と,車両の軸距が一致する場合は,多車輪の効果も減少し,大きな加速度がみられる. 以上のように不整地を走行する多車輪車両を,振動乗心地面からみるとき,走行速度の増加と共に多車輪の効果がみとめられた。

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